はじめに
日本には、『ひな祭り』というお人形を愛でる風習がありますね
バレエでもお人形が出てくるお話がいくつかあります
今回は『人形の精~フェアリードール~』についてまとめました
作品の背景~メッテルニヒ侯爵夫人~
『人形の精』の作品の始まりは、『人形店で』というパントマイム劇からでした
この劇は、オーストリアのメッテルニヒ侯爵夫人、パウリーネさんからの依頼によるものでした
パウリーネさんは、当時パリの社交界のリーダー的存在で、彼女自身も劇ではお店の主人役で出演したそうです
この劇の評価が高かったことから、バレエのための『人形の精』がつくられ、世界に広まっていきました
パウリーネは熱心な音楽家たちのパトロンであり、洗練された社交界の指導者だった。パリでもウィーンでも、最新の流行は彼女が作り出すものとなっていた。
Wikipediaより パウリーネ・フォン・メッテルニヒ
上演史
バレエ『人形の精』は1888年のウィーンにて、ヨーゼフ・ハースライター振付、ヨーゼフ・バイヤー作曲によって上演されました
その後、1903年、レガート兄弟によって再振付が行われます
レガート兄弟は、チャイコフスキーやドリゴ、ルビンシテインの曲を挿入し、衣裳と舞台美術をバクストに依頼し、全く新しい振付を加えました
1989年、ワガノワ・バレエ・アカデミーの校長であったコンスタンチン・セルゲイエフにより、レガート兄弟の演出・振付をもとに再振付されました
2013年 その版をもとにワガノワ・バレエ・アカデミーの校長ニコライ・ツィスカリーゼが『組曲版』を構成しました
第1幕
舞台は、たくさんの人形を売るおもちゃ屋さん
昼間お客さんでにぎわう店内では、店主、店員、見習いの少年がせわしなく働いています
そこへ恰幅の良い、お金持ちの家族がやってきました
店主は機械仕掛けの人形たちを次々に動かして見せます
チロル人形、赤ちゃん人形、道化、ハーレキンと次々に繰り広げられていく踊りに、客の子どもたちも周りで真似をして楽しんでいます
最後に出されたとっておきの人形は、とても美しいフェアリードール(人形の精)
子どもたちも気に入り、購入が決まりました
そんな中、お店に残る見習いの少年は疲れて眠ってしまいました
第2幕
夜中に目を覚ますと、そこはいつもとは少し違う幻想的な雰囲気の店内
人形の精の合図によって、人形たちは次々に目を覚まし動き出していきます
人形の精から始まり、次々に人形たちが踊りだし、少年は夢のような時間を過ごします
人形と兵隊、 ロシア人形、中国人形、フランス人形、スペイン人形、日本人形、、、、
最後は人形の精と2人のハレーキンによるパ・ド・トロワです
夢のような時間が過ぎ、人形たちがそれぞれの場所戻り眠りにつこうとすると、そこへおもちゃ屋の店主と店員が入ってきました
人形たちはまた動き出し、大人達を驚かせるのでした
おわりに
明るくコミカルな踊りが繰り広げられる『人形の精』は、観ているこちらまで元気をもらえる作品です
『フローラの目覚め』とセットのCDが発売されているので、興味がある方はぜひ見てみてください
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