はじめに
ただいま私、家族の都合でカンボジアに住んでおります!
バレエ教室も少なく、バレエとは無縁の国だと思っていたのですが、そうでもないと気付いてきた今日この頃、、、
今回は、現地で目にした優美な踊り『アプサラダンス』について調べてみました!
アプサラダンスとは
カンボジアには10以上の伝統舞踊が存在するのですが、その中でも優雅で滑らかな動きで人気の演目がアプサラダンス
「アプサラ」とは、「水の精」「天の精霊」を意味し、古代インドの神話に深く根ざしています
伝説によると、これらの美しく神聖な「アプサラ」は、天から降りてきて、魅惑的なダンスで神々や王を楽しませる存在としてアンコール王朝時代に生み出されました
その様子は、アンコールワットの壁画にも描かれています
王さまは元バレエダンサー?!
現在(2024年)カンボジアの王様であるノロドーム・シハモニ国王のお父様は、数多くの映画や楽曲を世に残し、クメール芸術を愛した方でした
そんなお父様の元で、シハモニ国王は9歳の時にプラハ(現チェコスロバキア)に送られ、舞台芸術を学ばれたそうです
後にフランスでは、自身のバレエ集団『Ballet Deva』を結成し活動し、ダンスをテーマにした映画も制作しました
こちらはシハモニ国王が現地の学校を訪問された時の様子
今も芸術を大切に想われている様子がわかります
宮廷舞踊そしてクメール古典舞踊へ
アンコール王朝滅亡の後も、フランスによる統治下でアプサラは大切に守り受け継がれてきました
宮廷舞踊として確立された後、庶民にも親しまれるようになり、現在は『クメール古典舞踊』としてユネスコの世界無形文化遺産にも登録され、カンボジアの人々に親しまれています
アプサラってどんな踊り??
アプサラは、美しい衣装と、魅惑的な手の動きが特徴的な踊りです
大きく手や指を反らせる曲線的な動きが特徴的で、この動きを可能にするために、踊り手は子供の頃から鍛えられるそうです
この方の解説によると、手の動きは生命の源である水の流れを意味し、クメール古典舞踊は自然が姿を変えたものだそう
木が成長すると葉が茂ります。葉が茂った後には花が開きます。花が開いた後には実がなります。その実が落ちると新たな木が芽生えます。この4つの動きの中に生命の循環が表されています。これら4つの動きを使って踊り手は自らを表現する言語が生まれるのです
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芸術存続の危機
カンボジアは悲しい歴史を持っています
1975年から1979年、ポルポト政権の下で、全人口の4分の1が正当な理由なしに殺されてしまったのです
その中にはクメール舞踊の踊り手の90%含がまれていたそう
私たちが今クメール舞踊を鑑賞できているのは、生き残った数少ない踊り手達に守られてきたからなのです
何百年もの間ジャングルに埋もれていたアンコールワットと共に鑑賞するアプサラは神秘的ですね
おわりに
腕や足を曲げながら踊るアプサラダンスは、バレエと対照的な動きのようにも思えますが、優雅な動き、指先の美しさ、真っ直ぐとした軸を見ていると、共通点も感じられます
それは同じ『宮廷舞踊』として親しまれていたからでしょうか、、、
カンボジア旅行にお越しの際は、ぜひアプサラダンスにも触れてみてください
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