くるみ割り人形は鬱憤晴らしの人形だった
バレエのストーリーの中では愛らしい存在であるドイツの伝統工芸品くるみ割り人形
1870年頃から、「エルツ山地のくるみ割り人形の父」であるフュヒトナーによって、王様や兵士をモデルに作られ始めました
この頃、庶民にとって頭の上がらない相手に硬いくるみを割らせることには、鬱憤晴らしの意図があったそうです
ジゴーニュ小母さんの踊り=縁起がいい??
キャンディボンボンの踊りとして場を盛り上げてくれる『ジゴーニュ小母さんと道化たち (La Mère Gigogne et les Polichinelles)』
gigogneには”入れ子式の”という意味があるそうです
gigogne /ʒiɡɔɲ/
[形] 入れ子式の
poupées gigognes|(次々に小さな人形が中から出てくる)子持ち人形
gigogne(フランス語)の日本語訳、読み方は – コトバンク 仏和辞典 (kotobank.jp)
キャンディが詰まったボンボニエールと同時に、ロシアの民芸品マトリョーシカも思い浮かびます
ボンボニエールは、”幸せが宿る器”として皇室にゆかりのある贈り物としても有名です
マトリョーシカは、願い事を叶えるという言い伝えがある縁起がいいお人形
舞台上のマトリョーシカのような、楽しい踊りを見ているとこちらまで笑顔になってしまいますね
お茶は高価な飲み物だった
お茶がヨーロッパに伝わったのは17世紀
この頃は、健康に良い輸入の品として、宮廷内でのみ嗜まれていた高級品だったそうです
そこから貿易、さらには戦争まで引き起こしてしまうほど人々はお茶に夢中になっていきます
可愛らしい音の正体は『チェレスタ』
可愛らしい音色を出すチェレスタは1886年に、パリのオルガン製作者が考案した楽器
この5年後、パリ旅行中にこの楽器を見つけたチャイコフスキーは聴き惚れてしまいました
曲を発表するまで、この素敵な楽器が世間にバレないようにこっそり隠していたそうです
珍しい『合唱団』の使用
第1幕雪片のワルツでは、バレエ音楽には珍しく”合唱”が登場します
チャイコフスキーは『声』でどのような表現をしたかったのでしょうか
幻想的な声が醸し出す不思議な雰囲気を味わってみてください
あらゆるものを楽器として使用
チャイコフスキーは、おもちゃの太鼓など他にもたくさんの音を使用しています
その中でも本物の『大砲』や『銃』の使用は人々を驚かせました
日本の自衛隊の方による演奏動画を発見!!
『くるみ割人形』の舞台ではどの場面で使用されているのか、耳を澄ませてみてください
幸福の種ドラジェ
日本語で『金平糖の精』と訳されているla Fée-Dragée
アーモンドをコーティングしたこのお菓子『ドラジェ』は幸福の種という意味が込められ、祝い菓子としても歴史あるお菓子だそうです
ドロッセルマイヤーはチャイコフスキー自身??
これは勝手な憶測ですが、チャイコフスキーは『くるみ割り人形』の作品の世界に自分の理想の家庭、幸せの姿を思い描いているような気がしてなりません
素晴らしい作品を数多く世に出した、チャイコフスキー自身についてもぜひ読んでみてください♡
歴史が詰まったコサックダンス
ロシアの踊りの中で取り入れられているコサックダンスですが、実はウクライナ発祥の民族舞踊だそうです
13世紀半ばにウクライナを侵略したモンゴル人によって持ち込まれた東洋武術が体を鍛える曲芸的テクニックへと変わり、次第にコサックダンスに発展していったそう
彼らは踊りを通して自分たちの体の強さ等を表しました
コサックダンスの動きの過酷さには、訓練の一つとして行われていた背景があるのですね
『中国の踊り』に関し議論白熱中
『中国の踊り』に関して、演目から外すバレエ団が出てくるなどニュースで話題になっていますね
こんなニュースがあると、子ども達は戸惑っちゃうんじゃ?!と真っ先にバレエキッズたちの姿が思い浮かびました
同時に、愛らしくて大好きなこの踊りも色々な角度から見ている人がいるんだと気付かされました
長い歴史があるからこそ出てくる様々な問題
今私たちはとても貴重な瞬間にいるのかもしれませんね
自身の意見や想いを巡らせながらじっくり鑑賞するのもいいかなと思います♡
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