2016年の4月に83歳で亡くなられるまで、
日本のバレエ 界に偉大な功績を残された佐々木忠次さんについてまとめました
日本のディアギレフと呼ばれた
今でも伝説のバレエ団として、影響を与え続けている「バレエ・リュス」
の主宰者として名高いロシア出身の芸術プロデューサー、セルゲイ・ディアギレフ
佐々木さんは卓越したインプレッサリオとしての手腕から日本のディアギレフと呼ばれていました!
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こだわりと情熱
6人兄弟の次男として生まれ、舞台が好きだったお母様とともに幼いころから舞台に
親しんでいたという佐々木さん
中でもレビュー(宝塚のような舞台)に魅せられ、日が暮れるまで劇場から
帰らず、家族から心配され捜索願を出されたこともあったそう!
日本大学の芸術学部に進学し、卒業前から舞台監督助手の仕事を始められました
その時にバレエと出会いますが、当時の日本のバレエ界は特に金銭的な問題が
多く、不払い問題などに悩まされたそうです
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東京バレエ団を創立
その後、倒産寸前だった東京バレエ学校を手伝い始め、倒産してしまった際
生徒の父兄たちからの後押しで
1964年に東京バレエ 団を立ち上げられました
稽古場には苦労をし、稽古場がないという弱みに付け込まれ、お金を搾り取ろうとする
人たちにうんざりし、『銀行に借りたものを返していく方がよっぽど不愉快じゃない』と
目黒区に土地を買ったそうです
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海外公演に力を入れる
世界の目に東京バレエ団を見てもらい、
団員にも本場のオペラハウスを体験させることが必要だと
バレエ団設立2年後から積極的に海外公演を重ねていきます
この時からすでに世界の中での日本という世界的な視点で、バレエ団やバレエ学校を
育ててこられた佐々木さんが、今の日本のバレエ団の高いレベルに繋がっているとわかります
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ミラノ・スカラ座の引っ越し公演を実現
16年もの年月をかけて実現させたミラノ・スカラ座の座のまるごと引っ越し公演!
この時のことを、佐々木さんは著書の中でこう語られていました
素晴らしい演奏に、コーラスに、そしてコールドバレエに血が沸き立つような感動を覚える
その時にはもう、仕事のことは考えてはいない
このバレエ団は僕が招聘したんだ、僕が設立したんだなどどいう感動はない
ただ、観客の一人として、すごい舞台に感動しているのだ
自分と同じような感動を観客にも味わってもらいたい
日本の、そして世界の観客に、世界一流のバレエ団の舞台を、その感動を味わってもらいたい
それが東京バレエ団に託した夢だった
『闘うバレエ』佐々木忠次 エピローグより
世界バレエフェスティバルをスタート
1976年には世界バレエフェスティバルを開始!
世界とのつながりをより一層強くしていきました
「三年に一度」というのも、佐々木さんのこだわりがあったそう
こだわりは演出にもあったようで、マイアベーアの 戴冠式行進曲を演奏し、その間に
作品名やプログラムを映し出し、観客の期待を高めていく演出は当時画期的な演出だった
そうです!
きっと、舞台が始まるわくわく感 を誰よりも知っている佐々木さんだったからこそ
思いついた手法だったのですね!
モーリス・ベジャールに「ザ・カブキ」をつくらせた
『ボレロ』で有名な20世紀を代表する振付家であるモーリス・ベジャール氏との
関係は特別なものだったようで、本の中にも素敵な思い出エピソードが
綴られていました
『ザ・カブキ』は、日本の伝統文化に造詣の深いベジャール氏が
歌舞伎の演目『仮名手本忠臣蔵』
に歌舞伎の手法や日本舞踊の所作を採り入れ、振り付けたもので、世界的な評価を受けています
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ディアギレフ賞受賞
世界各国で様々な賞を受賞された佐々木さん
パリ舞踊大学からは『ディアギレフ賞』を授与されました!!
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チャーミングな一面も、、
文芸評論家の三浦雅士さんは、佐々木さんは、日ごろから些細なことで人を驚かしたり、
楽しませる、子どものような一面があったと書いておられました
何度驚かされたか知れない まるで子どものようなのだ
同じ精神がその舞台芸術への情熱を貫いているのだ
それは、シャリアピンやパヴロワやニジンスキーをペテルブルクから運んで、ひとつパリの
観客の度肝を抜いてやろうと考えたディアギレフの精神と、おそらく寸分も違ってないのである
『闘うバレエ』解説 日本のディアギレフと出会って より
経営手腕や芸術的なセンスだけでなく、佐々木さんの情熱や人柄が、たくさんの方々の
心を動かしてきたのですね♡
『バレエで世界に挑んだ男』
佐々木忠次さんについてもっと知りたい方はぜひ、
桜沢エリカさんの『バレエで世界に挑んだ男』がおすすめ♪
漫画になっていて、一気に楽しく読めてしまいます♡
黒柳徹子さんも絶賛されている本♪
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