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【読書の秋】完璧という領域【熊川哲也さんの言葉に触れる】

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はじめに 


2019年に発行された熊川哲也さんの著書『完璧という領域


発売当時に読んだのですが、また無性に読みたくなり改めてじっくり読んでみました♪

タイトルと、表紙の熊川さんの険しい顔を見ると堅苦しそうに感じますが、

細かい章に分かれていてとても読みやすい本です!

熊川さんの貴重な自伝


この本に関して熊川さんは

『現在に至るバレエ人生の集大成である。おそらく今後、こうした本を出すことはないだろう』

とおっしゃっています。(ファンとしては次作も熱望しています‼)

建て前をいっさい排して本当のことを記したという、貴重な一冊です♡

「Kバレエカンパニー」設立の秘話

「Kバレエカンパニー」という名は、会見当日の朝決まったものだった!!

というびっくり仰天のエピソードから、仲間との関係、苦悩、

専用スタジオや専属オーケストラの設立に至るまでの流れ、などリーダーとしての想い・経緯も語られています

アンソニーダウエルさんとの関係が素敵

ロイヤル時代「テディ」という愛称で呼ばれていたという熊川さん

ロイヤルの退団については、無礼な辞め方をしたとかなり後悔されたそうです

一番悔やんだのは恩師アンソニー・ダウエルさんに一言もことわりなく辞めたこと

しかしそのわだかまりは解消され、ダウエルさんはなんと今、Kバレエカンパニーの名誉総裁なのです!!!

ダウエルの前に出ると、いまだに生徒のような自分に戻ってしまう」そうです

人間、失敗してしまうことは必ずあるけれど、謝る勇気と、許されたときの喜び

そこからの絆って美しいですよね

私はこのエピソードが一番好きです♡♡

音楽へのリスペクト

古い楽譜や古書を集めることが趣味という熊川さんは、どのインタビューや本の中でも

常にバレエの音楽や、それを創った音楽家へのリスペクトを述べられます

Kバレエの『くるみ割り人形』の中で「雪片のワルツ」のソリストたちの動きがとても速い理由は

ワルツの優雅な主旋律ではなく、その背後に鳴る音がそうした演出を求めていると感じたから

自分の振付や演出で、音楽を損ねたり品格を下げてはいけないといつも思っているそうです

バレエを通じて偉大な音楽家と時空を超えて一緒に仕事をしていると言ってもいいかもしれない

それは比類のない喜びである

熊川哲也『完璧という領域』

おわりに

熊川さんの本を読むと、今は亡き作曲家や振付家、バレエ の歴史全てに最大の敬意を持って、

未来に本物のバレエ を繋いでいくために魂を捧げられていると痛感します!!

一バレエ ファンとしても、「カッコいい〜♡」「楽しい〜♡」だけでなく、

もっともっと豊かな心で芸術を味わうことができるよう「受信力」を育てていかねば!と思います

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