人物について観る知るバレエ

【オペラ座】ルイ14世の本音【ベルサイユ宮殿】

人物について

はじめに

最近、東京女子大学佐々木涼子教授の著書『バレエのフランス・バレエ史―宮廷バレエから20世紀までを読ませていただきました

その中で、ルイ14世に関する記述が興味深かったのでシェアさせていただきます

最初のバレエ

バレエはイタリアから原型が持ち込まれたとされているのですが、この本によると、「最初のバレエ」と言われているのは1581年の『王妃のバレエコミック』という、フランスの宮廷で踊られた作品だそうです

諸芸術の融合

16世紀はじめ、フランスはようやく国家統一を成し遂げたばかりで、まだ国王の権力が弱かったそうです

そんな時に、詩、音楽、演劇、美術の四つの芸術を統合して、「調和と秩序」を表現するというのが、バレエの理念でした

その裏には、政治的な意図があり、あえて諸芸術を融合させようとしたそうです

それは、各地に領地を構えている大貴族たちを一人の国王に従わせるため


つまり、当時の「諸芸術」は「フランスの大貴族たち」だったのだそうです

理想的な形は天体の動き

さらに、「調和と秩序」の理想的な形は、「天体の動き」だったそうです

夜空を見上げれば、星は衝突もなく、平和に調和している。その中にある唯一絶対の存在は"太陽

『バレエの歴史』著 佐々木涼子


「太陽」といえば、バレエが大好きだったルイ14世!!!

ルイ14世は、自分自身もバレエを踊ったり、「太陽」の役により「太陽王」と呼ばれていたことで有名です

バレエは宮廷の申し子

当時のバレエは、フランス王の権力と光輝の芸術的表現そのものだったため、

宮廷で行うバレエは壮大で華々しいものでなくてはならなかったそうです

本の中では、「バレエは宮廷の申し子」という言葉を使われていました。
ヨーロッパ諸国、とくにフランスの宮廷は、色んな国の文化やお客様でいつも賑わう場所であり

言葉よりももっと心に訴えかけるエンターテインメントが必要だったのです

おわりに

ルイ14世に関して、バレエが大好きだったんだろうなぁ~と思っていましたが、この本を読むと政治的な意図も垣間見えました

政治との関わりがなかったら、ここまで世界中に広がるパワーも持たなかったのかもしれませんね

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